木の上から火之御子社のたたかいを見てみよう


「遙か1」小ネタSSS。
登場キャラは神子、永泉、泰明+ゲストの「クモじい」と「クモみ」ちゃんです。
全国区の元ネタじゃなくてすみません(汗)。






小さな白いクモが二つ、ふわふわと火之御子社に飛んできた。

「ここに来るのは久しぶりじゃのう、クモみや」
「そうですねえ。ちょっとなつかしいです」

クモたちは、きょろきょろと辺りを見回している。

「こりはどうしたことじゃ。土グモ師匠の姿が見えんぞ」
「変ですねえ。何かあったのかもしれません。最近京は物騒ですから」

その時、社の中から大きな土蜘蛛が現れた。

グギギギ…

蜘蛛はブン! と脚を振り、
クモたちは、あっという間に吹き飛ばされてしまった。

「うわー」
「きゃー」

だが運良く近くの木にひっかかり、クモたちはこわごわと土蜘蛛を見る。

「なななんということじゃ!
土グモ師匠が怨霊になっておる!」
「こわいです〜〜ぶるぶる。
今のうちに早く逃げましょうよ〜」

「待つんじゃ、クモみ。
可愛いお嬢ちゃんが土グモ師匠と戦っておるぞ」
「あ!♪ いい男も二人います♪」

「僧侶と陰陽師じゃな」
「パーティーとしてはバランスが悪いですけど
けっこう強いですねえ…」

「がんばれ! 土グモ師匠!
お嬢ちゃんもがんばるんじゃ!」
「言ってることがむちゃくちゃですよ、クモじい。
私はイケメンsを応援します」

……などと言っているうちに戦いはさっさと終わり――

「………土グモ師匠が、封印符になってしもうた…」
「追加値は微妙ですねえ。
瘴気耐性が使えるだけに、惜しいです」

「土グモ師匠〜! 早くお務めを終えて戻って来ちくり〜!」
「きっとすぐ帰ってきてくれますよ。だってほら……」
「おおお……! 火之神子社の土地の力が上がったぞ」
「ゴギョーの力が戻ったんですね」

「何者じゃろうか、あのお嬢ちゃんは…」
「ああ〜、イケメンsが行ってしまいます」

「わしらもそろそろ行くか」
「そうですね」

ふわふわふわ

「元気でな、お嬢ちゃん」
「また会いたいです〜、イケメンの僧侶と陰陽師さん〜」

ふわふわふわ

「? 空の上から呼びかけられたような…?」
「神子もですか。私にも、何か聞こえたような気がします」
「急急如律令!」

「うわー」
「きゃー」

「今度は、空の上から悲鳴が聞こえました」
「私もです」
「問題ない」




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2012.04.29 ブログ「小ネタ」にアップ  07.05 [小説]に移動