果て遠き道

リズヴァーンの物語に寄せる後書き


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長い物語をお読み下さった神子様方、本当にありがとうございました。
最後まで書ききることができたのは、読んで下さる方々がいればこそ!です。

リズヴァーン大好き!が高じ、望美ちゃんと幸せになってほしいと、書き始めた物語ですが、
終わってみれば結局、「無印3」の続き、リズヴァーン・ルートを ノベライズしたのだと分かりました。
どうりで、甘いシーンより戦闘シーンの方が多いわけです(爆)。


さて、この物語を書くにあたり、ゲーム本編の世界観を至上として、
できる限りそれを崩さないことを心がけてきました。
しかし、お読みになってお分かりの通り、オリジナル部分、
あえて原作とは異なる描き方をした部分が少なからずあります。
最後ですので、それらについて意図したことなど、補足説明しておきます。
だらだら書くと言い訳になりそうなので、箇条書きにてご容赦下さい。

 −−「3」「十六夜記」との重複部分と、変化について−−
 ・世界に拒否された存在としての「鬼」に重点を置いて。
 ・拒否に対して、鬼の里を開くという受容。
 ・「十六夜記」とは逆の方向へ、あえて走ってみる。
 ・閉じるのではなく、開く。
 ・「鬼」を、神子に不幸を運ぶ存在としてではなく、誇り高い存在として描く。
 ・同じく鬼としての誇りを持つアクラムとの対決の伏線にも。
 ・リズヴァーンの誇りの根元に、家族の存在と倶利伽羅の里での幼少時代。
 ・京の鬼の一族とは異なる価値観によって暮らす里。 (初期に分離した一派の末裔か)

 −−信直設定−−
 ・瞬間移動は使わない(修得していない)
 ・スピード感ある動きの描写を心がける
 ・ペルシャ神話の「二つの顔を持つ従者」=イシムド


ところで、「果て遠き道」という言葉が、物語中に3回出てきたことにお気づきの方も
いらっしゃることと思います。
  1.幼いリズが、遠い未来を思って
  2.望美が、リズの来た道を思って
  3.北山の天狗が、二人の未来を思って
視点と時制を変えているところが、ポイントです。
題名へのこだわり・・・と言ってしまえば、まさしくその通り(笑)。

こだわりについて、もう1つ。
本編中では、過去と現在を行ったり来たりしていますが、
メインとなるストーリーの舞台は1185年の暮です。
そこで、余話も含めて、物語全体を時系列の順に並べると、以下のようになります。

余話2→余話1→余話4→本編→余話3

4と3は、本編に組み込んでもよい位置にあるのですが、
別に読んで頂きたく思い、余話という形を取りました。

物語のプロローグでもある余話4は、一番最後にようやく書けたものです。
心の中に醸成されていても、本編の物語という積み重ねのないままに
ここから話を始めることは、どうしてもできなかったので。
あえて隠しページとした「前編・2」は、二人の新たな始まりとして、
「喪失」ではなく、「契り」の時を描きたいと思って書きました。
糖度低めはそのせい・・・でしょうか(汗)。


1年半にわたり書き続けてきたために、すっかりあちらの世界の住人のような
気がして(←危ない・・・)おりますが、どうやら私に帰還の時が来たようです。

前書きに書いた、「リズヴァーンに『あの世界』で幸せになってもらう」という、
この物語の目指したことが達せられたのかどうかは、
読んだ方それぞれに感じることがあると思います。
物語の始まりの時よりも、先生は幸福になった・・・と思って頂けたなら、
これに勝ることはありません。


                         2007.7.12  真宮四季



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