「花の名残」 雑感


 話の核となる部分は伏せています。 あらすじ部分は反転させてお読み下さい。
※ 上中巻の感想をまとめたものに、下巻分と全体の感想を追記する形になっています。

― 世界観 ―

「花の名残」は、3の大団円ルートから分岐した物語です。
荼吉尼天を追って現代に時空跳躍するはずが、
なぜか八葉だけが「京」に飛ばされてしまいます。
しかしそこは、平家が源氏に勝利した、彼らの知らない京でした。
平家による源氏の残党狩りが行われ、
神泉苑では、後白河法皇と平清盛臨席のもと、雨乞いの儀式が
行われようとしています。
そして、ストーリーが進むにつれ、
「京」の異様さが、次第に明らかになっていきます。
その京には、「あるべきもの」が存在していない……!?

― 上巻 ―

収録内容: 迷花の章 前・後編 / 梶原景時キャラソン「小夜嵐」
登場キャラ: 有川将臣、ヒノエ、梶原景時、平敦盛、平知盛

ざっくり感想: 将臣の剛胆な行動力と、ちゃっかりヒノエの情報収集力が光ります。

あらすじ:
「京」で平家と合流した将臣と敦盛は、捕虜となっていた景時の救出に成功。
けれど知盛に裏切りを見抜かれてしまいます。
それに続く将臣と知盛とのバトル場面は聞き逃せません。
そして諸々の手がかりから、キーマンは平清盛らしいと考えた四人は、
雨乞いの儀式の行われる神泉苑に向かいます。


― 中巻 ―

収録内容: 焔華の章 前・後編 / 武蔵坊弁慶キャラソン「真澄鏡」
登場キャラ: 源九郎義経、武蔵坊弁慶、有川譲、リズヴァーン、藤原泰衡

ざっくり感想: 泰衡は、さんざんツンデレをぶちかましながら、すごくいい人。
しかも行動力抜群。そして譲は、さすがに夢見る星の一族です。

あらすじ
冒頭の舞台は「京」の鞍馬山。
九郎と弁慶が平家の兵に囲まれていて、いきなり大ピンチです。
譲とリズヴァーンはお隣の貴船に飛ばされていました。
何とか合流できた四人は、はるばる平泉から来ていた泰衡に助けられます。
そして泰衡から得た情報で、将臣達と同じ結論に達し、
神泉苑に向かいますが、そこは平家軍ががっちり防衛中。
数多の敵を突破するため、弁慶が中心となって策を巡らしますが……。


― 上中巻の感想 ―

懐かしい音楽が次々と流れて、そのたびに顔がユルみました。
思い出と直結していればこそ!の音楽の力ですね。
そして上・中巻とも闘分横溢のストーリーで、戦闘シーンと緊迫した場面が連続します。
声だけで激しい戦いを表現する声優さん達は、さすがとしか……(←興奮)。

そして、知盛に泰衡という人気キャラを登場させるヌケメないキャスティングにも 拍手したいです。
下巻の舞台は、元の世界でも事の発端となった神泉苑(になると思う)。
八葉も全員集合(になると思う)で、最後まで引きもばっちり。
久々に公式さんのストーリーを堪能しました♪


さて、本編とは関係ないのですが……
どちらのCDも密林でポチッて、下巻も予約してあるのだけれど、
タイトル表記が以下のように謎です。

・遙かなる時空の中で3〜花の名残〜上巻
・ドラマCD 遙かなる時空の中で3-2
・遙かなる時空の中で3〜花の名残〜下巻

発売日以降はジャケ写が出ているけど、
中巻は発売予定日だけを頼りに予約で買ったので
届くまでちょっとドキドキでした〜。

― 下巻 ―

収録内容: 幻華の章 前・後編 / ヒノエキャラソン「立待月」
登場キャラ: 有川将臣、源九郎義経、ヒノエ、武蔵坊弁慶、
有川譲、梶原景時、平敦盛、リズヴァーン、白龍、
平清盛、平知盛、藤原泰衡

ざっくり感想: いよいよ登場の白龍大活躍。
波瀾万丈な展開と戦いの連続ですが、
しっかり神子への愛のメッセージもあって、何だかほっとしました♪

あらすじ
将臣達は「還内府」の威光で神泉苑に潜入成功。
九郎達は強行突破で突入します。
けれど苑内は霧に覆われて何も見えず、
法皇臨席の雨乞いの儀式が行われている様子もありません。
不思議な霧の奥へと進んだ八葉は、
平清盛からこの世界の秘密を知ることに……。
望美のいる世界に戻るため、彼らは最後の戦いに挑みます。


― 下巻の感想 ―

物語の鍵を握っていたのはやはり清盛で、
浅川さんの熱演も相まって、一門を思うが故の哀しい妄執が印象的でした。
ただ、ラスボス?的な存在の正体や、移り変わっていく戦いの状況などは、
セリフでの説明と効果音だけでは少しきつかった気もします。
なので美麗なアニメを脳内で妄想♪
この後に「迷宮」が待っていると思うと、
清盛自身もご無事で何よりというか何というか……。

― 全体の感想 ―

もう無いだろうとあきらめていた「3」の新作CDが作られたことに、
まずは大喜びでした。
神子の不在を、神子のいる時空から切り離されたという設定で乗り切り、
神子の世界に戻るために世界の謎を探り、戦うという、闘分たっぷりのストーリーに燃えました。
大団円EDの後だけに、それぞれの行動原理の中心にしっかりと神子がいて、
微糖な展開の中でも甘さが引き立つ感じは、ベタ甘よりも個人的には好物。
「迷宮」をリプレイしたくなりました。

最後に、公式さん制作としていかがなものか、と思ったことを3点。
1)3制作当時のスタッフがどれだけ残っているかは分かりませんが、
互いの呼び方(君付けか呼び捨てか)は、ゲーム本編と同じにしてほしかったです。
2)知盛の話し方に違和感。抑揚も付き過ぎのような。
3)泰衡は、彼らしく容赦ない非情なキャラとして登場した後は、
あんた誰?なくらい、キャラが違いました。
徹底的に味方になってくれる泰衡も見てみたいという思いはあるのですが、
このCDでは物わかりがよすぎて微妙です。物わかりという部分では知盛も同じ。
二人がストーリーを動かす役割を担っているのは分かりますし、
キャラの振り幅としてどこまで許容できるかは、受け取る人次第なのも理解しているのですが……。

以上、つっこむ点はあっても、メインの八葉と白龍の性格や行動は、ゲーム本編のままです。
そして何より、たっぷり3枚組のボリュームで「遙か3」の物語を堪能できたドラマCDでした。
お布施の覚悟でおっかなびっくり購入しましたが、公式さん、ありがとーーー!!




[保管庫へ]   [ご案内へ]


2015.10.31 上中巻 筆 / 2016.01.11 下巻以下 追記