景時・捏造版十六夜エンド・メッセージ



長い間・・・離れていたね

君はもう、月よりも遠くなってしまったと・・・思っていた

十六夜の月の夜は、空を見上げるのがつらかったよ
君を抱きしめて、明日よ来るな、と祈った
あの夜のことが思い出されるから

でも、みんなを守りたくて
何よりも、君を守りたくて・・・

君にまみえる日はもう来ないけど、
それでいいんだ
この道こそが正しいのだと、
何度も自分に言い聞かせながら・・・

それなのに、遠い君を想い焦がれていた
ずっと・・・忘れられなくて


そんなオレを、君は、まっすぐに追ってきてくれたね
軽やかに笑って、明日への扉を開いてくれた
そんな奇跡を、どうして起こしてしまえるのだろう

「あなたが好きだから・・・」
なんてちょっと照れながら君は笑ってみせるけど
知っているんだよ
笑顔の後ろに秘めた 君の傷も、涙も、苦しみも
絶望の中で前に進む強さも・・・


今はもう、君には何も隠していない
だって、オレの弱さも、
それを見せまいとする強がりも
君は全部、わかっているから
わかっていて、それでも、オレを想ってくれるから

偽りの自分を捨てた後に残ったのは
本当のオレの心
君への情熱で満たされて
こんなにも熱く、こんなにも強く、君を求めている

だからもう、二度と離れない
離さない

君のぬくもりを抱きしめて
どんな暗い嵐の夜も、二人で越えて行こう

まっすぐに光を目指す、君の心を道しるべに






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ゲーム内のことに具体的に触れない…というのが
エンド・メッセージのお約束のようですね。

でも、辛いことや悲しいことを乗り越えて
今ある幸福をつかみ取ったのですから、
時には、それらを振り返った言葉も聴いてみたい〜〜、
……という願望の下に、捏造版のメッセージをでっち上げてみました。


このメッセージ、もともとは6000打リクで書いたうちの1編です。
初めてリクを頂いて、大喜びで2編も押しつけてしまったのですが、
「月下の紫陽花」様は、どちらも快く掲載して下さいました。
多謝。

なお当サイトに再録するにあたり、加筆、修正を行いました。


2007年8月29日 筆