叱られて

(泰明×あかね・京エンド後)



「泰明さんのばかっ! もう知らない!!」
わなわなと唇を震わせて、あかねは叫んだ。
そしてくるりと泰明に背を向けると、家の中に走り入り、
ぴしゃり!と扉を閉めてしまった。

「神子…なぜだ…」
泰明は呆然としたまま動けない。
あかねの言の葉は、呪と同じ。
泰明にとっては、どのようなまじないよりも強い力を持つ。

あかねを追いかけ、なぜ怒っているのか理由を問いたいのに、
泰明は家に近づくことさえできくなってしまった。
怒りの言の葉が泰明を取り囲み、縛しているのだ。

――神子…、私は何か悪いことをしてしまったのだろうか。

記憶を溯ってみても、何も思い当たらない。
だが、あかねの眼には、涙がいっぱい溜まっていた。
くるりと後ろを向いた時、それが一筋、こぼれるのが見えた。

神子、私は知らぬ間に、お前に悲しい思いをさせたのか?
気づかぬ私だから「ばか」なのか。


でも………
これまでにも神子は時々怒ることがあった。
その時のように、おとなしく待っていれば、
怒りを静めてくれるかもしれない。

十、数えてみよう。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

今度も…きっと同じだ。
もうすぐ、にっこり笑いながら家から出てきてくれるはずだ。

百、数えてみよう…。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
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・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

神子…
私のことを知らない…とは、
私を忘れてしまうということなのか?
だが私は…片時たりとも神子を忘れない。
忘れることなどできない。

千…数えて……
       ・
       ・
       ・
       ・
       ・
     ………
   …………………

神子
私は………


さやさやとそよ風が吹き、泰明の髪を揺らした。
蝉が鳴き始める。
今日も暑い日になりそうだ。

「神子……」
あかねの消えた扉に向かい、そっと声をかけるが、返事はない。
ぐるりと家の周りを一回りする。
わざと音を立てて歩いてみる。

それでも、あかねは出てきてくれない。


しょんぼりとうつむいたまま
泰明は、自分の式神を全部呼び出した。

「みんな、ここに残って神子を守れ」

式神達は、いつもと違う泰明の様子に驚いたが、
恐ろしい顔をした鬼神から愛らしい小鳥まで、皆、黙って命令に従う。


そして泰明は一人、家を出た。

まぶしい陽の下で賑わう京の街、
行き交う人々の笑い声が泰明の胸に突き刺さる。

あかねの笑い声…愛らしく、幸せに満ちたあの声を
もう聞くことができない。
花よりも明るく優しい笑顔が、私に向けられることはない。

ずきずきと胸が痛い。
のどに大きな塊が詰まっているようで、息が苦しい。
……これは…壊れかけているのか、私は。

街を抜け、北に広がる深い山に向かう。

鳥の声だけが聞こえる、木々に囲まれた細道。
高く上がった陽がまだらな陰を落とす中を、
泰明は奥へ、奥へと進んでいった。

木々の途切れた日溜まりに、しん…として音もなく
青紫色をした星形の花弁の群が、微風に揺れている。
ここが、目的の場所。
花を折らぬよう、泰明はそっと群の中に分け入った。



家の中に駆け込むなり、あかねは声を押し殺して泣き出した。

無理もない。
あかねは一晩中、眠らないで泰明を待っていたのだ。
式神を通じ、「今夜は帰れない」との伝言を受け取ってはいたのだが…。

一緒に暮らし始めてから、まだ三月も経ってない。
それなのに朝帰りなんて、ひどいよ!!
陰陽師のお仕事だからって…言い訳になんかならないんだから!!

泰明さんののお仕事が大変だっていうのは、よく分かってる。
物の怪とか穢れとか呪いとか、怪異が起きたと言っては、
急に呼び出されることはよくあるし、私ももう慣れた。
あちこちに出かけたり、遠くまで行かなくてはならなかったり、
内裏に呼ばれる時があるのも知ってる。

泰明さんは、みんなのためにがんばっているんだな…って思うから、
お食事の途中でも、夜中に起こされても、
笑って「行ってらっしゃい」って言える。

泰明さんの力で、たくさんの人が助かるんだな…って思うから、
一人で待っている時間も辛くない。

……なのにぃぃぃっ……

ぽろぽろ涙をこぼしながらも、
あかねの怒りは解けるどころか、ますますヒートアップしている。

というのも――
昨日訪れた土御門で、あかねはあることを耳にしてしまったのだ。
内裏の女房達が、それはそれは美しい陰陽師殿の話でもちきりなのだ…と。

陰陽寮の陰陽師として従七位上の官位を持つ泰明は、
以前から必要とあれば内裏に赴き、務めを為していた。
だが、その働きぶりは申し分ないものの、人々から少々恐れられていたことも事実。
顔立ちが整っているだけに、そこに施された白いまじないと、
動きのない表情が、冷たく近寄りがたい印象を与えていたからだ。

だが今は白いまじないもなく、泰明は美しい素顔を見せている。
数多の美女が揃った後宮にあっても、
すれ違う者の目は、その美しさに釘付けになろうというものだ。

さらに、そのような美貌の持ち主が、あの安倍晴明の高弟。
陰陽師としての技量も群を抜いているというのだから、
女房達が騒ぐのも無理はない。

しかも以前は、話しかけてもにこりともせず、
口調も態度もぶっきらぼうで、必要最小限のことしか口にせず、
依頼主の気持ちなど構うことなく、
用向きがすむと、さっさと立ち去ってしまう――という、
無愛想の極みのような振る舞いの問題陰陽師であったのが…

この頃は依頼主の話に耳を傾けるばかりでなく、
なんと、笑顔まで見せるという。

はにかんだような笑みがたまらないの!!
可愛い!!
いや〜〜ん!! ステキすぎる〜〜!!
ど〜しましょう♪
とは、女房達の一致した意見。
女御や更衣も噂を聞きつけて、泰明を呼んだそうだ。
そして、一度依頼があると、また二度三度と声がかかる。
もちろん、女房達がことあるごとに名指しで依頼してくるのは泰明だ。

陰陽師のお仕事で、リピーターがつくなんて…。

喜ぶべきことなのかもしれない。
でも、あかねの気持ちとしては、この状況は完全に行き過ぎだ。

な…何よ、泰明さん。
確かに私は、挨拶する時は失礼にならないようにって、
笑顔の作り方を教えたけれど…
でも、へらへら愛想笑いするように、なんて言っていないのに!!

泰明がへらへら笑う顔を想像して、
一瞬あり得ないと思うが、怒りの方が勝った。

この頃、やけに内裏のお仕事が多いと思っていたら、
こういうことだったの?!

泰明さんは、全然分かってない!!
こんなにしょっちゅう生き霊に取り憑かれるなんてことが、本当にあるの?
一度に十人も気鬱の病なんて、仮病に決まってるのに!!

なぜいちいち、泰明さんが呼び出されなくちゃならないの?
陰陽師は、泰明さん一人じゃないんだから
別の人に行ってもらえばいいじゃない!!



泰明の白い指が、青紫の花を一つずつ、丁寧に選り分けている。
日だまりは暑いが、泰明は日射しの強さを意に介することもなく、
求める花をひたすら探し続ける。

――神子は私に、たくさんのことを教えてくれた。

心というものを知る前には、無駄なことだと考えていたことも、
人にとってはとても大切なのだと、神子は教えてくれた。

まだよく分からないこともある。
理にかなっていないと思われることもある。
だが、神子が優しく笑いながら、
そして時には愛らしい怒り顔で私に教えたことは全て、
神子が私に寄せてくれる想いの発露だ。

愛しい者への言の葉は祝福だ。
愛しい者から贈られる言の葉は尊い。

だから私は一生懸命、神子の言の葉に従ってきた。

脱いだ着物は術を使わず、手で畳む。
庭の木々や花は、術で成長を促すのではなく、
語りかけながら、柄杓で丁寧に水をやる。
式神は大切に。
物を食する前には手を浄め、後には口を浄める。
外から帰った時には、どちらも必要だ。
人に会う時は、挨拶をする前に、
口を「ちいず」と言う時の形に動かすのだ。
そして安倍家に行った時、陰陽寮に出仕した時は、
仕事の場なのだから、相手の願いを無碍に断ってはならない。
私にとって不要に思えることも、
人にとっては、とても大切なことかもしれない。
――みんな泰明さんの力を頼りにしているんですから、
ちゃんと話を聞いてあげて下さいね。にっこり。

私は神子の言ったとおり、昨日もちゃんとやったつもりだ。
祓いが終わってからも、まだ不安で心細いと訴える者が多かった。
弱った気には、物の怪が取り憑きやすい。
実際に取り憑かれていなくても、そう思うだけで病を得るほどだ。
だから、護符を置くだけではなく、この場にいてほしい…という願いに応え、
夜通し祈祷を続けた。

次々に女達がやって来たが、みな、怯えていたのだろう。
陰陽師に祓えを依頼する者は藁にもすがる思いなのだと、神子は言っていた。
一通りの役目は終えたのだからと、辞さなくてよかった。

………と思っていた。
何がいけなかったのだろうか。

泰明は、朝のことを思い返してみる。


夜を徹しての祈祷を終え、泰明が内裏から戻ってみると、
小さな家のささやかな庭に立つ桜の木の下に、
あかねがいた。

毎日、泰明が帰るのを、こうして待っていてくれるのだ。
だが今日は、まだあかねは眠っているだろうと思っていた。
けれど、こうして迎えてくれた。

泰明は少し頬を染め、
「今帰った、神子」
と、いつものように声をかける。

すると、あかねから思わぬ言葉が返ってきたのだ。

「こんな時間まで何をしていたんですか!」
あかねの眼が怖い。声も怖い。

内裏の祈祷で帰れない――と、式神を通じて報せておいたはずだが…

不思議に思いながら、そう答えると、
「そんなこと、分かってます!!」
と、言う。

「神子、分かっているなら、なぜ問うのだ?
それにお前は、怒っているように見える。
何か不快なことがあったのか」

「大ありです!!
内裏で祈祷って言っても、周り中女の人ばっかりだったんじゃないですか?!」
「確かに女人は多かったが、貴族の男や警護の男達も当然いた」
「男の人がいたからって、何のタシにもなりません」
「何か問題があるのか、神子」

泰明をキッと見て、あかねは言った。
「女の人は何人いたんですか」
「最初は四人だった。その後次第に増え、最後には二十五人になった」
「もうっ!! どうしてそんなに集まったんですかっ!」
泰明は小さく首を傾げた。
「あらかじめ、来る者は拒否しないと伝えておいたからだと思う。
また、自分には祈祷が必要と考えた者が多かったということだろう」

あかねの頬がぷっくりとふくらんだ。
「泰明さんの祈祷だから集まった…ということじゃありませんか」
「それは違う、神子。
陰陽師の祈祷には定められた方法がある。
私もそれに従っているだけだ。
とりたてて私でなければならないという理由はない」

「でも、泰明さんの周りにいた女の人は、
みんな本当に祈祷だの祓えだのが必要な人ばかりだったんですか?」
「私には、みな健やかそうに思えた。
だが一様に気の乱れが激しく、不安を口にしていた。
だから神子から教わった通り、相手の心を慮り、
夜通し祈祷することにしたのだ」

「場所だって用意しなくちゃいけないのに、
すんなり話が通ったんですか」
「女房達が連携して動いたようだ。女御の口添えもあったという」
「……やっぱり…」

「やっぱり…? ということは、神子はすでに予想していたというのか」
「予想じゃありません。
明らかに、女房さん達は泰明さん目当てです」
「よく分からない」
「この頃、内裏のお仕事が多いなって、思っていたんです」
「確かに、些細な祓えやまじないで内裏に呼ばれることが多い。
だが、それが陰陽師の務めだ」
「依頼してくるのは、女の人でしょう?」
「その通りだ、神子」
「女の人ばかりで、何も思わなかったんですか!!」
「思わない」
「断ることだってできるでしょう…」
「理由がない」
「そんな…理由ならいくらでも…」
「奥の手の頭痛歯痛腹痛腰痛は、使いすぎては効果がない」
「使いすぎたって…いいじゃないですか…」
「神子、どうしたのだ。
さっきからお前はおかしなことばかり言っている」
「これが、おかしなこと…ですか?」
「疲れているのだろう、昼までゆっくり寝むといい」

「泰明さんのばかっ! もう知らない!!」


あかねの怒りの通り、泰明は全く分かっていない。
そもそも、あかね以外の女性の目に自分がどう映っているか考えること自体、
想像の範疇を超えているのだから。

そしてあかねも、全く分かっていない。
内裏の美女達に囲まれていても、
泰明にとっては、へのへのもへじの集団が並んでいるのと同じということを。





ふぇ〜ん、ひっくひっく…。
泰明さんのばかぁ…。

夕べはほとんど眠っていない上に、怒ったり泣いたり…。
すっかり疲れてしまったあかねは、
冷たい板の間に伏して、いつの間にかすやすやと寝入っていた。


はっと気がついて身体を起こすと、
家の中はしんとして音もない。

涙ではれぼったい眼をぱちくりして、記憶が一気に蘇った。

「泰明さん…?」
もちろん、答えは返らない。

あかねは庭に飛び出した。
陽はすでに傾き、空には夕焼け雲がたなびいている。

庭には、泰明の式神達が顔を揃えていた。
一番近くにいた犬の形の式神をむんずと捕らえ、あかねは詰問する。

「泰明さんはどこ?!」
「むぐぅ……わんわん…ご主人様は……かくかくしかじか…わわわん」

「何ですって!!」



夕風が吹き過ぎ、涼しさを運んできた。
入り日に赤く染まった山の峰が、次第に黒い輪郭に変わっていく。
夕暮れの田舎道を、泰明はとぼとぼと歩いていた。

神子は今、どうしているだろうか。
壊れる前に、家に着けたなら…
神子に気づかれぬように、そっとこれだけ置いて出よう。

泰明の手の中で、花の蕾が頼りなげに揺れている。

急ごう。
胸が痛くてたまらない。
私はもうすぐ壊れてしまうのだ。

………私が壊れたら、神子は…悲しんでくれるだろうか…。


しかし、泰明のしょんぼりとした気持ちは、
家の近くまで来た時にすっかり吹き飛んだ。

空から梟の式神が急降下してくるなり、
「あかね様が! あかね様がっ!!」
と叫んだのだ。

見れば、普段は白い梟の顔が真っ青になっている。
嘴をかちかちと鳴らして、ひどく怯えているようだ。

「神子っ!!」
胸が痛くて壊れかけている(はずの)泰明は、
ものすごい速さで走り出した。

何があった?
たとえ神子に厭われても、離れるのではなかった。
すまぬ、神子。
すぐに行く!!

家の前の小路にさしかかれば、門までの距離すらもどかしい。
「神子っ!!!」
泰明は塀を跳び越えて庭に降り立った。

と、桜の木の下にあかねがいる。

「神子…大事ないか…?」
問うより早く、あかねは泰明の胸に飛び込んできた。

「泰明さんのばか…」
朝と同じ言葉だが、纏う気が全く違う。
泰明の背にぎゅっと手を巻き付け、着物を握りしめて
あかねは泣いている。
「黙って消えたりしないって…約束したのに…」

「す…すまなかった…」
態度の急変に戸惑いながら、泰明はおずおずとあかねの髪に触れた。
あかねは嫌がる素振りをみせない。

髪を撫で、肩を抱き
腕に少し、力をこめて…
段階を追ってあかねの様子を確かめ、やっと泰明は安堵した。

胸はもう痛くない。
まだ、壊れることはないのだ。


「泰明さんを探して!!!」
という気迫に満ちたあかねの一喝で、
真っ青になって飛び出した式神達も、間もなく全員戻ってきた。
そしてあるものは一条の橋の下へと帰り、あるものは札に戻る。



空に星が瞬く頃、涼しい風に吹かれながら、二人は簀の子に並んで座っていた。

「神子、これを…」
泰明が、うっすらと緑の色が残る青紫色の蕾を差し出した。
五角形の紙風船のような形をしている。

あかねは眼を輝かせた。
「これ、桔梗の蕾…ですね」
「そうだ」
「可愛い…。
私がずっと前に言ったこと、覚えていてくれたんですね。
桔梗の蕾を見たことがないって…」
「季節になったら、神子を花の場所に連れて行くと約したのに、
もう蕾の時期は過ぎてしまった。
これが、最後の一本だ」
「泰明さん、今日はこの蕾を探しに行ってくれたんですか?」

こくん、と泰明は頷いた。
その時の悲しい気持ちが蘇り、胸が苦しくなる。
「神子が私を忘れてしまう前に…届けたかった」

「え? 私が泰明さんを忘れる?」
もう一度、泰明は頷いた。

「神子は、私などもう知らない…と言った。
言の葉が真になれば、神子は私を忘れるだろう。
神子に忘れられたなら、私は悲しくて壊れてしまう。
だから…その前に…」
泰明の、伏せた睫毛が震えている。

「そんなこと…ないのに……」
あかねは手を差し伸べ、泰明の頬に触れた。
その手を握りしめ、泰明はそのままゆっくりと身体を倒す。

あかねの胸に顔を埋めて、泰明はくぐもった声で言った。
「神子とは、たくさんの約束をした。
どんな小さなものも、私は決して忘れない。
だから神子も…私を忘れないで…」

視界の半分は黒い庇の影。
もう半分は満天の星空。
ふうっと、あかねは息を吐いた。

――星の光のように透き通った心を、
悲しみの色にしてしまったのは私。
どんなに辛かったことだろう。
どれほど痛かったことだろう。

もう、つまらないやきもちなんか妬かない。

「ごめんなさい、泰明さん」

あかねの言葉に、泰明は顔を上げた。
そして不思議そうに、首を傾げる。
「悪かったのは、私のはずだ。
なぜ神子が謝る?」

もうっ! 泰明さんは、どこまでも泰明さんなんだから。

あかねはにっこり笑った。

泰明の顔が近づき、あかねの視界から庇と星空が消える。
仲直りの口づけは、やがて甘い吐息へと変わっていった。






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あかねちゃんを独り占めしたくてヤキモキする泰明さん…
というお話は幾つかアップしてきましたが、
逆バージョンも読んでみたい…というヒントを頂き、
なるほど〜、と思って書いてみたのがこの話です。
SSというには微妙に長くて、すみません。

また、タイトルと内容が不整合ではないか、と思われるかもしれませんが、
書いた本人に少々こだわりがあってのことなので
突っ込まないで下さい。

※註: 従七位下という泰明さんの官位は、
ポケットシナリオ「舞一夜」付録の設定資料集によるものです。
ウィキで調べてみたら、陰陽寮では内部事務の管理職相当と…。
身分高っ!!&似合いませんよぉ…。

2010.5.7 筆