― 2016年 新年企画 ―

初夢、初詣などなど、新年にちなんだテーマのSSSです。
ほとんどセリフのみですので、
シチュエーション、背景などは、ご想像のままに。




初 夢[将臣×望美]


あけおめ………とは言っても、
なんか穏やかすぎてかえって落ち着かないぜ。
お前はどうなんだ?

まあ、順応性高いお前のことだ。
心配なんて、するだけ損かもな。

ああ、別に不満があるわけじゃない。
お互いいろいろあったが、
こうして自分たちの世界に帰ってきて正月を迎えてる。
これ以上めでたいことなんてないさ。

あの戦場から、無事に戻ったんだからな。

だが、戻ってみれば、
待ち構えていたのは冬休みの宿題って、
とんだオチだぜ。

あ、悪ぃ、
お前、まだ半分も終わってないんだったな。
まあ気にするな。
俺は手もつけてねえから。

一緒に叱られようぜ。

そんなにふくれるなよ。
がんばって全部終わらせるっていうなら手伝うぜ。
面倒事は好きじゃねえが、お前は別だ。

小さい頃から、お前と一緒にいるのは普通のことだった。
会いたくなったら、すぐに会える。
伝え忘れたことがあっても、
明日になれば、お前に会える。
それが当たり前の毎日だった。

だが、あの日――
お前にクリスマスプレゼントを渡しそびれて、
そのまま三年が……過ぎちまった。

大切なことは、今伝えないとな。

じゃ、言うぜ。
一緒に南の島に行かないか?

夢を………見たんだ。
お前と一緒に、南の島にいる夢だ。
夢の中とはいえ、ものすごく楽しかったぜ。

ってことで、俺はバイトに精を出す。
誘ったのは俺だ。
全額は無理でも、足代くらいは持たないとな。

親の説得は任せるぜ。

ん? ああ……。
参ったな。
夢の細かいとこなんて、どうでもいいだろうが。

お前、普段は鈍いわりに、
すげえタイミングで核心を突いてくるじゃねえか。
そんな一歩も退かないって顔されちゃ、折れるしかないだろ。

夢ん中では、遊びに行ったんじゃなくて、
一緒に暮らしてたんだ。
………お前と俺が。

聞いといて真っ赤になるなよ。
俺だって恥ずかしいぜ。

ってお前、俺の照れた顔見て喜ぶな!!

だったら―――

腕の中で暴れるなよ。
こうしてれば、お互い自分の赤い顔を見られないですむんだ。

………俺の心臓、バクバクいってるだろ。
お前の身体も、すごく熱いぜ。

だめだ、離さない。

心臓バクバクも、
熱い身体も、
生きてる証だ。

望美――

愛してる。




2016年お正月企画

初夢[あかねと藤姫]  お年玉[泰明×あかね]  初仕事[3オールキャラ]


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2016.01.01 拍手にアップ  02.27 [小説]に再掲