― 2013年 新年企画 ―

ほとんどセリフのみですので、
シチュエーション、背景などは、ご想像のままに。




雪遊び その1


京は雪の新年を迎えた。
あかねの発案で、みんなで雪遊びをすることになり――



土御門の庭を舞台に、天と地に分かれた雪合戦が始まった。

「若棟梁、我らも共に!」
頼久の下には、源氏の武士団が集結している。

「面白そうだな、イノリ。力を貸すぜ!」
鍛冶場から駆けつけたのは、イノリの仲間たちだ。

「鷹通殿、今こそ官僚の底力を!」
治部省からは、鷹通の同僚が集まって来た。

「法親王様をお守りしなければ!」
仁和寺からは、若い僧が大挙して押し寄せている。

「何だよ、助太刀有りか?
俺と詩紋は京に知り合いがほとんどいないんだぜ。
これじゃ地が圧倒的に不利じゃねえか」
「そうだね、天真先輩。
ボクたちのせいで、負けるなんてことになったら…」

「いや、心配には及ばないよ。
人数は多くても、天の側で役に立ちそうなのは
武士団と鍛冶師の中の数人ではないかな。
そう考えれば、私の呼び寄せた左近衛府の衛士も
なかなか捨てたものではないよ」

「そうだ。問題ない。
戦闘能力はこちらの方が優れている。
出でよ、式神軍団!!
はああああああっ!!!」


戦いは双方入り乱れ、どちらも雪まみれの激しいものとなった。
だが一進一退でなかなか決着がつかない。

そこで話し合いが行われ、
八葉の中から双方の代表者を選んで個人戦で勝負を決めよう!
ということになった。

サドンデス方式で、最初に雪玉を食らった方が負けだ。

「はい、くじを作ったから選んでね」
あかねが差し出した籤が次々と引かれ、
天と地の代表になったのは――

「……あ、あの………私…ですか」
「えっ!? ボクなの」

「詩紋くん、頑張って!
「永泉さん、信じてるから!」

そして大きな声援の中、
じれったくも後ろ向きな戦いが始まった。




2013年お正月企画

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2013.01.01 筆 03.23 [小説]に移動