ほとんどセリフのみですので、
シチュエーション、背景などは、ご想像のままに。
京は雪の新年を迎えた。
あかねの発案で、みんなで雪遊びをすることになり――
土御門の庭を舞台に、天と地に分かれた雪合戦が始まった。
「若棟梁、我らも共に!」
頼久の下には、源氏の武士団が集結している。
「面白そうだな、イノリ。力を貸すぜ!」
鍛冶場から駆けつけたのは、イノリの仲間たちだ。
「鷹通殿、今こそ官僚の底力を!」
治部省からは、鷹通の同僚が集まって来た。
「法親王様をお守りしなければ!」
仁和寺からは、若い僧が大挙して押し寄せている。
「何だよ、助太刀有りか?
俺と詩紋は京に知り合いがほとんどいないんだぜ。
これじゃ地が圧倒的に不利じゃねえか」
「そうだね、天真先輩。
ボクたちのせいで、負けるなんてことになったら…」
「いや、心配には及ばないよ。
人数は多くても、天の側で役に立ちそうなのは
武士団と鍛冶師の中の数人ではないかな。
そう考えれば、私の呼び寄せた左近衛府の衛士も
なかなか捨てたものではないよ」
「そうだ。問題ない。
戦闘能力はこちらの方が優れている。
出でよ、式神軍団!!
はああああああっ!!!」
戦いは双方入り乱れ、どちらも雪まみれの激しいものとなった。
だが一進一退でなかなか決着がつかない。
そこで話し合いが行われ、
八葉の中から双方の代表者を選んで個人戦で勝負を決めよう!
ということになった。
サドンデス方式で、最初に雪玉を食らった方が負けだ。
「はい、くじを作ったから選んでね」
あかねが差し出した籤が次々と引かれ、
天と地の代表になったのは――
「……あ、あの………私…ですか」
「えっ!? ボクなの」
「詩紋くん、頑張って!
「永泉さん、信じてるから!」
そして大きな声援の中、
じれったくも後ろ向きな戦いが始まった。
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[雪遊び その2]
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2013.01.01 筆 03.23 [小説]に移動