初夢浮橋

2010年のお正月企画です。
「1」と「3」の同じポジションのキャラ同士が交わす
少しおかしな会話SS集。
ほとんどセリフのみですので、
シチュエーション、背景、時代設定などなど、ご想像のままに。



地の玄武

泰明&リズヴァーン


「泰明、先ほどは呪符に向かい一心に念じていたが、
どのような術を施したのだ」

「リズヴァーンか。
私が行っていたのは魔除けのまじないだ」

「神子のためなのだな」

「当然だ。神子には、やたらといろいろな者が近づこうとして困る。
なれなれしい子猫も寄ってくるので、断固として避けなくてはならない」

「うむ、確かにその通りだ。
多くの者が神子の清浄な気に惹き付けられるのは道理。
しかし、それを看過しては神子を守れない。
特に子猫は、厄介だ」

「その通りだ。子猫は、神子に抱かれたまま図々しく眠ってしまう」

「子猫は、神子の膝の上で我が物顔で丸くなる」


「そういえばリズヴァーン、お前も何か熱心に作っていたようだが」

「これのことか」

「…注連縄、紙垂…禍を祓うものだな」

「神子の世界では、新年に家の入り口にこれを飾るのが習わしだ」

「!!!」「!!!」

「同じことを考えたのではないか、泰明?」
「同じことを考えたか、リズヴァーン」

「こうやって、『謹賀新年』と書かれた紙と重ね合わせれば…」
「色違いの紙で装飾されているように見えるな」

「輪飾りの材料はまだある」
「呪符はもう一枚ある」









「では、新しく作ったこの輪飾りを持って行きなさい」
「この呪符にも念入りにまじないを施した。使え」

「感謝する、泰明」
「感謝する、リズヴァーン」

「これでもう」「これでもう」

「問題ない!」「問題ない!」




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