― 2012年 新年企画 ―

神子への贈りものがテーマです。
同じ四神同士の会話で、ほとんどセリフのみですので、
シチュエーション、背景などは、ご想像のままに。




1: 青 龍

ドルルルル……
「おっ、エンジン快調!」

天真が上機嫌でバイクを点検している。

「天真、これが神子殿の世界の馬か?」
「そうだぜ。バイクっていうんだ。
腹の底に響くいい音がするだろう」

「この騒がしいばいくとやらで、天真は何をするつもりだ」
「新年だしな、あかねを乗せて、こいつで初ツーリングと思ってるんだ」
「釣り…んぐ?」
「ええとだな…かっ飛ばしに行くってことだ。
もちろん、無茶な運転はしねえけどな。
きっとあかねもスカッとするだろうと思うんだ」
「………それはつまり、
神子殿と遠乗りに行く…ということか」
「まあ、そうだな」

くるり。
「ん? 頼久、どこに行くんだ?」
「………私も神子殿に遠乗りに同道して頂けないかと
お願いしてくる」
「お前、いつもあかねを馬に乗せてるじゃねえか」
「新年は…特別だ。
神子殿をお連れして、初詣とか…他に…初詣とか……初……
とにかく、爽快な気持ちになって頂けるよう、
一番の駿馬を選ぶ」

「速く走り過ぎて、あかねを落とすなよ」
「私が神子殿を落とすなど…!
神子殿のことは、しっかりお支えする」

「! ちょっと待て!」
「どうした、天真」
「あかねはどっちに乗るんだ、頼久?
前か…後ろか?」
「いつも見ているだろう。
私の前に乗って頂かなければ、支えることは……あ……」
「そ…そうだよな……」
「ててて天真……。
ばいくに乗る時は、神子殿はどちらに……」
「俺の後ろだ……。
しっかりつかまってもらわねえとな」
「み…神子殿が、天真に…しっかりと…」
「……っつうか、俺に手を回してぎゅっと抱きつ……」


「神子殿にぎゅっとされる……のか…天真は」
「あかねが落ちないように、しっかりと抱……」
「天真……神子殿に……」
「頼久……いいポジションじゃねえか……」









新年の教訓: 隣の芝生は青い




2012年お正月企画

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2012.01.01 筆 02.03 [小説]に移動