神子への贈りものがテーマです。
同じ四神同士の会話で、ほとんどセリフのみですので、
シチュエーション、背景などは、ご想像のままに。
「ん〜〜いい匂いだねえ、譲くん」
「ああ、景時さん、ちょうどよかった。
味見をしてくれますか」
「え、いいの?
うわ〜っ、オレ新年早々ついてるなあ。
どれどれ……」
「どうです?……少し辛すぎますか?」
「いや、とてもおいしいよ。
最初に野菜の甘みを感じて、
次に来るのが肉のうま味だね。
そしてまろやかな辛さがじんわりと広がったところで、
全部が一体となって深いこくを醸し出している…」
「参ったな。
そんな風に味を語られると照れてしまいますよ。
何だか料理マンガの主人公にほめられてるみたいで」
「そう? でも譲くんのかれーはお世辞抜きで絶品だからね〜」
「よかったです。
景時さんの折り紙付きなら、
自信を持って先輩に食べてもらえますから」
「でも不思議だなあ。
お節料理はおいしいのに、
望美ちゃんはなぜもうかれーを食べたいって言うんだろう」
「毎年のことなんですよ。
お節料理って中身が決まってますから、
先輩はすぐに飽きてしまうみたいなんです。
そういえば、景時さんの方はどうなりましたか?」
「ばっちりできたよ〜♪
ほら、これなんだけど……」
「これは……白虎のからくりですね。
でも動き方は茶運び人形に似ているような…」
「そうそう。さすが譲くん、よく分かったね。
この前その人形をてれびで見てさ、
オレ、すっかり気に入っちゃったんだよ。
食べ物を運ぶってことでは同じだからね、
今回のカレー運び人形に生かしてみたんだ」
「背中に背負っているのは…宝箱ですか…?」
「開けてみていいよ〜」
「あ! 福神漬けとらっきょうが」
「カレーには基本だよね〜。
もう一つ容器があるから、お好みで別の薬味も入れられるんだ」
「やっぱり景時さんの気配りはすごいですよ。
兄さんにも見習ってほしいな」
「そう…?
将臣くんはとてもしっかりしてると思うけどなあ。
それより、カレーも人形も用意できたんだし、
望美ちゃんに早く届けない?」
「そうですね。行きましょうか」
譲はカレーの大鍋をかかえ、
景時はカレー運び白虎人形を抱っこした。
新年二日目。
「おせちもいいけどかれーもね」状態になっていた春日家で、
二人が大歓迎を受けたことはいうまでもない。
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新年の重要単語: つぶしがきく
2012年お正月企画
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[1:白虎]
[1:玄武]
[3:青龍]
[3:朱雀]
[3:玄武]
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2012.01.01 筆 02.16 [小説]に移動