現代ED後、クリスマスのデートという設定です。
あかねとの会話ですが、八葉のみが話します。
神子殿、めりーくりすます。
外つ国の言葉は不思議な響きがしますね。
しかし、寿ぎの日に交わす挨拶は大切なものですから、
おろそかにすることはできません。
勉強熱心……ですか。
いいえ、こちらの世界に来て半年が経つというのに、
未だに慣れないことばかりですから、日々励まなければなりません。
神子殿を支えるはずが、神子殿に助けていただくことも多く、
いくら学んでも、まだ足りないと思うばかりです。
ああ……確かに、もう半年ではなく、まだ半年とも言えますね。
何ごとも一度には進みません。
今は二人の時間を、もっと楽しみましょう。
よろしければ、あちらの店に寄ってみませんか?
くりすますには大切な人に贈り物をすると聞いています。
神子殿のお気に召すものがあれば、
ぜひ「ぷれぜんと」をしたいのです。
ええ、初めて行く店ではありません。
神子殿を待っている間に下見に行ってきましたから。
時計というのは便利ですね。
神子殿との待ち合わせの時刻に遅れないように
自分の行動をあらかじめ計画しておくことができます。
神子殿? 急に笑い出して、何がそんなにおかしいのですか?
……私がすっかりこの世界に馴染んでいる…?
ああ……私もつられて笑ってしまいました。
堅く考える必要はなかったのですね。
神子殿の仰る通り、少し焦っていたのかもしれません。
けれどあなたの笑顔で、心に春のようなそよ風が吹き渡りました。
神子殿、ありがとうございます。
あなたはいつも、私の行く道を明るく照らしてくれます。
だから私も、あなたの心を明るく照らしたい。
あなたの笑顔を守っていきたい。
この世界でこれからも、私は一歩ずつ歩んでいきましょう。
愛しい……あなたと共に。
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16.12.25 筆 19.8.11[小説]に収録