クリスマスSSS・天真

現代ED後、クリスマスのデートという設定です。
あかねとの会話ですが、八葉のみが話します。



よっ! メリクリ!

いや、俺もちょうど今来たところだ。 っておい、なんでいきなり俺の手を触るんだよ?!

冷たい……って、冬なんだから当然だろ。

ったく、そんな恨みがましい眼で見るなよ。
ウソ言って悪かった。

こんな寒空にお前を待たせるわけにはいかないだろ?
だから、ちょっとばかり早く来た。それだけだ。
何しろ今夜はお前とクリスマス・デ……
って、言わせんなよ、照れるだろ。

おい、何でお前の方が赤くなるんだ。
え? はっきり言わないと分からないだって?

……ま、まあ…言ってみれば、俺とお前は、龍神の神子とか八葉とか
ややこしいことになる前からの腐れ縁ってやつで……。

あっ! そんなにがっくりうなだれるなよ!!
すまねえ。照れてる場合じゃなかったな。
お前に……お前にだけは誤解されたくないってのにさ。

せっかくのクリスマス・デートだ。
今日ばかりはちゃんと言わねえとな。

あかね、お前も、俺にとっては特別なんだ。
いや、そんな言葉じゃ足りないくらい、
お前のことを大切に思ってる。

だから、もしお前も…………

ああ、無理に答えなくていい。
お前の笑顔が何よりの返事だ。

さあ、今日は思いっきり楽しもうぜ。






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16.12.25 筆  19.8.11[小説]に収録